以前に書き込みした「ミトコンドリアの分裂」
(2003.03.03 Mon 15:55:25)に関連したお話です。
ミトコンドリアの分裂の際には,ダイナミンと言うタンパク質が
ミトコンドリアを外側(細胞質側)から縊り切ることが,
原始紅藻の観察などから知られていました。
今度は,別の種類のダイナミンが葉緑体の分裂にも関わっていることが
シロイヌナズナの研究からわかりました。
ARC5と呼ばれるこのタンパク質は,やはり葉緑体の分裂リングの外側に
局在するそうです。
ミトコンドリアと葉緑体は,いずれも真核細胞に細菌が共生して誕生したと
考えられていることから,両者の分裂を同じタンパクファミリ−が
制御していることは,とても興味深い事実です。
なお,ダイナミンは共生細菌に由来するタンパクではなく,
真核細胞がもともと持っていたタンパク質に由来すると考えられています。
このことが何を意味するかは,原論文やCommentaryを呼んでみて下さい。
Reference
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