かたやま 2003.08.25 Mon 22:50:25 Nature(AOP 8/20)にタイトルのような論文が出ました。 やっぱり、と言う感じでしょうか。 どう相互作用しているんでしょうね。 LINK : miRNAの論文 on Nature 仲田 2003.08.26 Tue 10:45:20 ほう。Published になったら読んでみます。 こういう話を聞くと、RNA による制御の話が出てくる以前の 分子生物学が如何に無知だったか、ということが露呈してきますね。 同様に、今なお細胞の基本的な分子機構を知らないまま議論している可能性もあるわけで、 ちょっと怖い反面、今後への期待も膨らみます。 ところで、RNA 関連の記事が Scientific American に載っています。 メインは RNAi のようですが、一般向けの紹介記事になってます。 遠からず日経サイエンスに邦訳が載るでしょう。 Lau, N. C. & Bartel, D. P. Censors of the genome. Sci. Am. 289(2), 26-33 (2003). 仲田 2003.08.28 Thu 15:15:49 ところで、「microRNA が〜を制御している」という話題が流行になりつつあるようですが、 「microRNA を〜が制御している」という話はまだでていないんでしょうか? 誰かご存知ですか? 仲田 2003.09.18 Thu 18:03:07 やっと本誌に載りましたね。 今週は面白そうな論文が山積みで大変です。 Palatbuk, J. F. et al. Control of leaf morphogenesis by microRNAs. Nature 425, 257-263 (2003). News and Views Benfey, P. N. MicroRNA is here to stay. Nature 425, 244-245 (2003). 仲田 2003.09.23 Tue 16:22:16 著者らによると,葉の形態形成のみならず, 植物において,miRNA とターゲットの mRNA,そして表現型までがセットで 明らかになったのは初めてのようです。 読んでみて面白かったのは,miR-JAW と呼ばれる microRNA のターゲットが, 単一の mRNA だけではなく,miR-JAW と相補的な配列を持った複数種の mRNA だったことです。 標的遺伝子が,特定の遺伝子ファミリー(class II TCP subgroup)の中で互いに近縁なグループを作り, しかも被子植物全体でターゲット配列を共有しているという点も驚きであり,納得できる話でもありました。 また,miR-JAW とわずか3,4塩基しか違わない(長さは1塩基違う)miR159 が, おそらく別の遺伝子(MYB 遺伝子)mRNA を標的にしているというのも面白く, miRNA が仕組み,配列共に進化的に保存されていることが示唆されます。 ちなみに,miRNA による mRNA の制御は,mRNA の分解と,mRNA の翻訳阻害の 2通りがあるそうですが,miR-JAW は前者です。 動物では後者しか見つかっていないようですが,植物では両方の仕組みが知られているそうです。 前に掲示板で 紹介した論文にもそんなことが書いてありました。 予断ですが,miRNA による転写後制御の詳細については,線虫の let-7, lin-4 の系, ハエの bantam の系,そしてヒト細胞の miR-23 の系などで調べられているようです。 各生物について,論文中に引用のあったもの(の代表)を引用しておきます。 何かの役に立てばいいんですが。 線虫 Reinhart, B. J. et al. The 21-nucleotide let-7 RNA regulates developmantal timing in Caenorhabditis elegans. Nature 403, 901-906 (2000). ショウジョウバエ Brennecke, J., Hipfner, D. R., Stark, A., Russell, R. B. & Cohen, S. M. bantam encodes a developmentally regulated microRNA that controls cell proliferation and regulates the proapoptotic gene hid in Drosophila. Cell 113, 25-36 (2003). ヒト Kawasaki, H. & Taira, K. Hes1 is a target od microRNA-23 during retinoic-acid-induced neuronal differentiation of NT2 cells. Nature 423, 838-842 (2003). シロイヌナズナ(現時点では未出版。翻訳制御に働く例) Chen, X. A microRNA as a translational repressor of APETALA2 in Arabidopsis flower development. Science published online 31 July 2003 (doi:10.1126/science.1088060). |